第46回日本肝臓学会東部会
会長 田中 篤
(帝京大学医学部内科学講座 教授)
第46回日本肝臓学会東部会
会長 田中 篤
(帝京大学医学部内科学講座 教授)
この度、第46回日本肝臓学会東部会の会長を拝命いたしました。歴史と伝統があり、かつ肝臓学を志す若手の医師の登竜門でもあるこの学会の会長としてご指名いただき、大変光栄であるとともに、大きな責任を感じております。第46回東部会は2026年12月10日(木)・11日(金)の日程で、横浜市・パシフィコ横浜ノースで開催いたします。
本会のテーマは「みんなで肝臓学を語ろう」といたしました。あたかも小学校の学級目標のようなニュアンスですが、「みんなで」「肝臓学を」「語ろう」それぞれの語句に私の思いを込めたつもりです。まずこの会では、性別、年齢、役職などを問わず、肝臓学に興味を持っているすべての医師、医療従事者、およびステークホルダーにご参加いただき、「みんなで」この会をリードしてほしいと考えています。また「肝臓学を」については言うまでもありません。私が医師になったころと比べると肝臓学は大きく変化し、かつ進歩しています。この変化・進歩を踏まえつつ、現在脚光を浴び多くの研究者の注目が集まっている領域から、関心を抱いている医師は少ないもののその重要性には変わりない領域まで、肝臓病学ではなく「肝臓学」として、基礎・臨床の両方を広く見据えながらさまざまなテーマを取り上げていきたいと思います。さらに「語ろう」ですが、一方向で発表を聞くのみではなく、学会にご参集いただいた多様な参加者が一緒になって。肝臓学について大いに話し、聴き、かつ議論をたたかわせて語りあうことを目指しています。
今回は、大阪大学大学院医学系研究科長・免疫細胞生物学教授 石井優先生、および兵庫医科大学功労教授 飯島尋子先生のお二人に特別講演をお願いいたしました。石井優先生はイメージング技術を駆使し腸内細菌と肝マクロファージについての研究を続けておられ、今最もホットな分野における最先端のご講演をいただく予定です。飯島尋子先生はもちろん超音波診断・肝癌診療の第一人者でいらっしゃいますが、その傍ら最近まで日本肝臓学会理事として、男女共同参画委員会、キャリア支援・ダイバーシティ推進委員会で活動を続けて来られました。その観点から、「みんなで」肝臓学を語るには何をすべきか、何か足りないところはあるのか等についてご講演を拝聴したいと考えております。さらに、東京医科大学教授・茨城医療センター共同研究センター長の本多彰先生に、肝臓学のあらゆる場面で重要性が増している胆汁酸の生物学について、教育講演をお願いしております。その他、第45回までの流れを継承し、特別企画として好評のキャリア支援・ダイバーシティ推進委員会関連企画も予定しています。
今回の学会を通じて、肝臓学における各領域のアンメットニーズを明らかにし、それらの解決に向けた道筋を切り開いていくことができれば望外の喜びです。一人でも多くの会員の方々のご参加をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。